道具にこだわりを持ちましょう

プログラマにとっての道具と言えば、言語処理系、エディタ、IME です。
様々な考え方があるため、自分に最も合う道具を探すのは楽しいものです。
ですが、物理的な道具には気を使っているでしょうか ?
キーボード、マウス、ディスプレイといった HID (Human Interface Device) のことです。
キーボードについて、かのまつもとゆきひろさんは次のように述べています。


最近では、PCは数年で性能が陳腐化します。CPUが遅い(遅くなるのはCPUではなくソフトウェアなのですが)、HDDの容量が足りないなどの不満から、どうしても買い替えてしまいます。しかし、手になじむ高品質のキーボードは、PC本体を買い替えても、ずっと使える大事なインタフェースであるというのは分かる気がします。日常接する時間の長いインタフェースであればこそのこだわりであると言えるでしょう。

マウスには、ボタンの数といった機能的な面以外に、大きさ、クリック感といった手になじむ要素があります。

ディスプレイには、色や明るさといった人間の生理的要求に直接寄与する要素があります。

よく馴染んだ道具を使うことで得られるものには次のようなものがあります。

  1. 快適さ
  2. 効率の良さ
  3. 愛着

いずれも目の前の問題(納期が近いプログラミング、原稿の〆切)を解決するための直接的な解決策にはなりませんが、
健やかなプログラミング生活を送るためには欠かせない要素だと思います。

市販されている PC に付属した HID の中には、本当に付属品程度の品質しか持たないものがあります。
お仕着せの道具でも最高のパフォーマンスを出すのが職人的な態度ですが、
自分の道具箱を自分でメンテナンスするのも、職人として必要な習慣です。